長期インターンで学んだこと:ベスト10

大学3年生の1年間、「青山社中」という政治系ベンチャーのような会社で長期インターンをさせて頂いたことがあります。そのときに学んだことベスト10をまとめてみます。

「青山社中」は社員7人くらいの規模で、元官僚の方が創業されたこともあり、政党の支援(政策作成支援)、自治体の支援などを行っている会社です(https://aoyamashachu.com/)。僕は主に自治体支援系の仕事の手伝いを週1.5日くらい行っていました。

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背景として、まずはインターンを始めることになったきっかけについて紹介します。

きっかけは大学2年生の時に参加したイベントのグループワークで、社長の朝比奈さんと同じグループに入ったことです。これは幸運な偶然でした。そのときの朝比奈さんの意見が「こんな考え方があるんだ!全然知らない世界だな!」と思わせてくれるものでした。

具体的には、「自治体が海外からの観光客をどう増やすか」というテーマに対して、僕はプロモーションかなぁくらいしか思っていなかったのですが、朝比奈さんは

「少し裏技的ではあるけど、中国の大きめの自治体と組んで、その自治体の修学旅行といえばうちの自治体となってもらうなど、その自治体において日本といえばこの自治体となれるようにする。中国では中規模の都市でもかなりの人口だからこの効果は大きい」

みたいなことをおっしゃっていて、「こんな物事の動かし方があるんだ!」と思い、インターンをお願いしました。

あと、「政治の世界ってどんなかんじかなぁ」という興味と、「民間企業(青山社中)ってどんなかんじかなぁ」という興味の両方が見れるかもと思ったことも志望理由として大きかったです(そして、その目論見は見事成功しました)。

さて、こんな風に思っていた僕は1年間で何を学んだのでしょうか?


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10位:「色々なタイプの優秀な同学年がいるなぁ」と知った。

僕の他にも4人くらいインターンがいたのですが、皆んなすごく優秀でした。「うわぁ、俺はこんなに淡々と仕事できないな」と思ったり、「俺はこんなに上手くコミュニケーション取って器用に仕事できないな」と思ったりしました。官僚になる人もいて、官僚タイプの優秀な人ってこんなかんじねと理解したり、イケイケタイプの優秀な人ってこんなかんじねと理解できたのは大きかったです。

9位:「最初が大事ね!」と思った。

インターンの初日に「お散歩行ってきます!」と言って、仕事の途中で散歩に行きました。煮詰まっちゃって散歩しようと思ったわけです。「仕事中に、勝手に散歩行っていいのかな」と思いもしましたが、それから毎回15分くらいの散歩に行くようになったら、逆に行かない日に「あれ今日は散歩行かないの?」と聞かれるようになりました。「初日からやっていると『そういう子なんだ』と思われるわけね」と思いました。何か特別な習慣があるなら初日からやるのがスムーズだと思いました。

8位:「官僚ってこんなかんじね」と思った。

僕はあまり官僚の方と関わる機会はなかったのですが、何回か官僚の方との会議に同席させて頂いたことがあります。ある時、3人の官僚の方が来られたのですが、全員がちゃーーんとスーツを着て、ミーティング中に全員がメモ帳を出してメモを取っていました。これを見たとき、「これは僕にはできないな」と悟りました。なんていうか僕にインストールされている行動形式とあまりに乖離しているなと思いました。

そういう意味では「自分は官僚にはなれない」と思ったわけですが、同時に元官僚の方やその後官僚になったインターン同期と一緒の職場にいたことで、「自分がなれないだけで、別に官僚の人と話が合わないわけでもないんだ」とも知れました。

 

7位:「市でも面白い仕事できるんだな」と知った。

市町村レベルの自治体の方を対象にした仕事が多かったのですが、市の仕事でも「その市の特産品を海外に持って行って売り出す!」みたいな仕事があるんだなと知りました。外資系企業に行って日本向けの仕事するより、場合によっては市役所の方が、海外を対象にするような仕事ができたりすることもあるんだと知りました。

もちろん、多くの仕事はそうではないと思うし、「議会の日程がどうで、予算がどうだから」みたいな話が聞こえてきたりもしたので、そこまで自由じゃないのかもしれませんが、こんな仕事もあるんだなと知ることができたのは大きかったです。

6位:「成果物ってこんなかんじね」と知った。

自治体への仕事の1区切りとして、成果物(レポートなど)を全部印刷してファイリングしたものを段ボールに入れてクライアントの自治体に送るってことがありました。印刷したりファイルに入れたりするのを手伝いました。そのときに、「成果物」があってそれに対する「請求」をするってことのイメージがつきました。(ちなみに、あれが本当に「成果物」っていう建て付けで送られたものなのかは実はよく分かってないです。笑)。

将来、知的生産の仕事(orレポートを成果物にする仕事)につく可能性もあるのでこういうイメージを持てたことは大きかったです。

 

5位:「色々な仕事の仕方があるな」と思った。

自分が身につけたいかは別として、国の制度とかを上手く利用した物事の実現の仕方があることを知りました。詳細は述べませんが、「例えばうちの父親がこれを達成しようと思ったらこういうやり方はしないだろうし、思いつかないだろうな」と思うようなやり方が取られていて、個人的には間近で見てきた父のやり方の方が自分には合っている気がしましたが、「そもそもの目のつけどころとか流儀が違うんだ」ということを体験できました。

4位:「あ、そういうことは聞いちゃいけないんだ」と理解した。

具体的な文脈は忘れたけど、たしか関わっていたプロジェクトの新しいあり方みたいなのを上司(とても甘やかしてもらいました。笑)が考えるのを手伝っていたときに、「そういうば、新しいプロジェクト考えるのに参考になるかもしれないから、青山社中の決算書見せてもらってもいいですか?」と聞いてみたら、なんていうかすごく「??」みたいな反応が返ってきました。

この時はじめて、「あ、こういうのってデリケートな情報なんだ、カジュアルに聞くものではないんだ」と知りました。笑 自分がそういう常識を全然知らないことを知りました。これから色々勉強していかないとね。

3位:「政治家ってそうやってなるんだ」と少しイメージできた。

これは事前にはそこまで期待していなかったけど、インターンの同期に(政治家志望で)政治家秘書になった方がいたり、僕がいるタイミングで会社を辞められて政治家として立候補した社員の方がいたりして(見事当選!!!)、「政治家ってそんなかんじになっていくんだ」というイメージが掴めました。

これはマジで貴重な経験で、「政治家の世界について、自分はいつかイメージがつくようになるかもしれないのか。その可能性がなくはないのか」と思えました。

2位:「人が入れ替わる肌感覚」を得られた。

週1.5日のペースでも、1つの会社をそれなりの期間見ることで「それなりの期間見ないと分からない何か」を知ることができるだろうと思っていたのですが、採用や退職などで人が入れ替わると、会社の雰囲気ってこんなかんじに変わっていくんだ、でも根本のこういうところの雰囲気はそこまで変わらないのか、みたいなことを肌感覚として知ることができました。

こういう学びをできるのが「長期」インターンであることの意味だと思うので、すごく良かったです。

ここまででも十分な学びでしたが、いよいよ第一位!



 

1位:「そういうことも起きるのか….」とリスクの存在を知った。

最後の4ヶ月くらいメインで関わっていた海外でのプロジェクトが、コロナで(実質的に)吹っ飛びました。これには本当にびっくりしました。プロジェクトが不可抗力で吹き飛ぶことって本当にあるんだと理解しました。

この体験をしなければ、自分でダメージを受ける体験をするまで「想定外の事態は実際に起きうる。これはマジで起きうる。」ということを感覚値として理解できなかったと思います。


例えば僕がいつかフリーランスみたいになって、どこかの企業と仕事をするとなったときに、その企業が不祥事を起こしてしまいローンチができなくなるみたいなこともあるわけですよね。「まぁそこまで想定しておかなくていいだろ」では済まないんだなと思いました。

これは本当に知ることができて良かった。

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いかがだったでしょうか?

こうやって書き出してみると、本当に多くのことを学ばせてもらったなと改めて思いました。「政治家、官僚、自治体など"政治"の世界を見てみたい」という興味と「"民間企業"がどんなかんじか見てみたい」という興味。この2つを期待通り知ることができて、とても有意義でした。また、第一位の学びのように期待していなかったけどすごい大事な学びも得ることができました。

「学生時代に長期インターンなんてする意味ある?たぶんあんまり意味ないよ」みたいに言われたこともあるけど、僕はこの10個だけでも十分時間を投資した甲斐があったと思います。

青山社中の皆さん、ありがとうございました!

Fin.