学部4年生くらいのときに、
「経済学のどの分野でも、その道のプロになるなら身につけるべき分野特有の数学的手法が存在する」という趣旨のことを聞いたことがあります。
その後大学院生になって、「社会的選択理論」という分野を専攻しているわけですが、春学期の前半に割り当てられた論文を精読したときくらいから、「これは乗り越えないとダメなんだろうな」という数学の壁が見えてきました。
具体的には、「選好を関数で表現する際に用いる一連の数学」が目の前に立ちはだかっています。イメージとしては、コアミクロで扱うような「上の選好が合理性と連続性を満たすとき、それを表現する連続な関数が存在する」みたいな定理のもっと複雑なバージョンってかんじです。あとはもう少し局所的に、証明の中で使われる関数方程式が意味不明すぎて困っています。
指導教員の先生に軽く相談してみたら「あまりそのへんの領域に深く入りすぎない方がいいよ」という趣旨のことを言われたので、たぶんそこまで深く証明とかまで追って理解する必要はないんだろうけど(あくまで道具として使うことを目的に勉強するべきなんだろうけど)、やっぱりある程度は向き合って壁を越える必要がありそうだなと感じています。
社会的選択理論を将来どこまで自分が使うかは分からないけれど、1つの学問の分野における「研究レベル」ってのがどのへんなのかを把握しておくのは大事だと思うので、この数学の壁は丁寧に乗り越えたいなと思っています。この壁をちゃんと越えるのは、経済学に限らず「プロってのがどういうものか」を理解する上でも重要だと思うんだよね。
それにしても、「やっぱり壁が現れた〜」ってかんじです。そして思っていたよりも乗り換えるのは大変そうに見えます。かなり大変そう。でも取り組むべきことはある程度は見えているので、乗り越えられるかはあまり心配せず手を尽くそうと思います。
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いまはM2の7月ですが、M2の終盤にこの「数学の壁」に自分がどう立ち向ったか(意外と大した壁ではなかった、登ろうとしたけど諦めた)などについて振り返ってみたいと思います。
どうなることやら。笑
Fin.