2022-09-01から1ヶ月間の記事一覧

学問に対する向き合い方のシフト

M2になってから意識的に学問に対しての向き合い方を変えてきて、なかなか難しさもあったけど、新しいステップに入った気がするのでそれについて書いてみようと思います。ただ、以前にも大きく向き合い方が変わった瞬間があって、今回の変化を語る上ではそこ…

社会的選択理論の研究について教わったことメモ

*この記事は中級以上の社会的選択理論の知識を前提とします。指導教員とのミーティングなどで「あ、これは学びになるな」と思ったことをメモしておきます。以下は基本的に手法としてはcharacterizationについてなので、社会的選択理論に馴染みがない(or 不…

修論指導は”映画鑑賞”?

指導教員の先生とのミーティングにおいて、映画を勧めてもらった。社会主義の未来社会を描いた映画で、社会的選択理論のヒントになりそうとのことらしい。さっそく勧められた映画「giver」を見てみた。この記事では、それを見て面白いと思ったことや考えたこ…

同期の修論に向けての発表を大量に聞いて思ったこと。

自分は発表しなかったのだけど、今日は13時開始で大学院同期の修論に関する発表を7つ聞いてきた。お互いに修論に向けての現状について発表しあってコメントや質問をもらおうみたいなかんじで、僕みたいに聞くだけの人も参加しつつ1つの部屋に集まって18時半…

Pazner and Schmeidler(1974)の紹介。

Pazner and Schmeidler(1974)は、無羨望という公平性の概念とパレート効率性という効率性の概念の関係を取りあげた、たった2ページの論文です*1。(純粋交換経済においてはこの2つの概念を満たす配分は常に存在するのですが、)この論文は労働を入れ込んだ経…

economyに対してsetを定めるかorderingを定めるか。

*この記事は社会的選択理論の知識を前提にしています。あるエコノミーが与えられたときに、そのエコノミーにおける配分の集合を、feasibleな配分の集合をとしておく。この設定のもとで、論文によっては上のordering(順序)を考え、論文によってはの部分集合…

「幸せのための経済学」を読んで。

前に読んで挫折した「幸せのための経済学」を読みました。本はこんなかんじでコンパクト。数式は登場せずに社会的選択理論*1における規範寄りのテーマを一通り説明してくれています(ただし正直な感想としては難易度はかなり高くて読みこなすのには一定以上…

ゲーム理論について学部時代に見えていなかったこと(1)

*この記事は中級レベルのゲーム理論の知識を前提としています。規範的な分野を最近やっていることで(あとはゲーム理論の応用分野である租税競争の授業を履修したことで)、ゲーム理論の規範的評価の部分について解像度が上がってきた。例えば標準形ゲームの…

ブログの戦略について考えたこと・気づいたこと

この前100記事到達したわけですが、このブログは僕が好きなことを僕が好きなペースで書いているだけで、なーんも「戦略」みたいなものは考えてきませんでした。ただ、ブログを書いていると「きっとこういうことは意識した方が本当はいいんだろうな」とか「イ…

帰り道の空が穏やかだったよ!

「あ、今日の空は穏やかでいいかんじだな」と大学を出たときに思ったので、帰り道(本郷キャンパス〜上野駅)の写真を撮りながら歩いてみました。散歩のお裾分け的な記事です。・・・・ ・経済学研究科の建物を出てすぐのところ。 ・上野公園に入った。この…

ケーキをどう3等分するのが"公平"か?

ある漫画で、「目の前にあるホールケーキを公平に3等分してください」というお題が出されていた(その漫画においては特になんの捻りもなく120度ごとに切るのが正解とされていた)。その漫画(「ケーキが切れない非行少年たち」)は今回の記事とは異なる重要な…

祝!このブログで100記事達成!

昨日の投稿(2022年8月31日)がちょうど100記事目でした。去年の12月から始めたブログなので思ったより早いペースで100記事達成することができました。「読んでるよ!」とメッセージをくれたり、こっそりと読んでくれていた読者の皆さんありがとうございまし…