「経済学は一旦全部忘れよう」

大学院の同期には修士が終わっても経済学を続ける人が多い。そして、もしかしたら彼らと一緒に何かしらのテーマについて考えることが将来あるかもしれない。その時には、この記事のタイトルの言葉を伝えたいなと思っている(経済学の観点からの専門的コメントを求める場合などは別だけど、一緒にワクワクする何かについて考えよう!となったときにはほぼ確実にこれに賛同してくれる人と組むことになると思う)。

これは自分が気をつけようと思っていることでもあるんだけど、何か考えたいテーマがあったときに、まっさらな気持ちで考えていった方が面白いと思うんだよね。経済学の幅広さを考えると、だいたいどんな社会に関する問題でも経済学のこの分野とこの分野に関係しているなってあたりをつけることは可能なんだけど、そこからスタートするのはどうも冒険ってかんじがしない。

気分としては、まだ誰も足をつけていない雪面が目の前に大きく広がっているのなら、そりゃそのまま気持ちよく滑りたくない?ってかんじ。

そして気分だけじゃなくてテクニカルにも、そのテーマについて経済学だけじゃなくて他の知恵も合わせて使うのが良さそうな場合には、経済学ありきで考え出すと全体としてのバランスが崩れやすくなると思う。また、やっぱり経済学の中では認められているけど他の分野の人にはあまり納得的ではない仮定・手法もあるだろうから、そこと上手く付き合うこと点からも重要になると思う。

経済学は一旦全部忘れよう。大丈夫、経済学でやってきたことはきっと体に染み付いているから。そして必要になればもちろん先行研究も活用すればいいから。ただやっぱり目の前にこんだけワクワクするテーマがあるなら、枠に囚われずにまっさらに立ち向かった方が楽しそうじゃない?

先人の知恵を学ばずにいきなり我流で考え始めるのはあまり筋がよくないと思う。だけど、先人の知恵を一度ちゃんと学んだのならば、"一旦"それを手放してみる。これはすごく難しいけどすごく大事だと思う。

Fin.