経済学の新しいビジネス活用。

*この記事は経済学を知っている方向けです。

経済学をビジネスで活かすという文脈において、経済学の「内容」ではなく、経済学の特徴である「新しい概念をどんどん文脈に合わせて構築していく作法」に注目するのはどうだろう。

具体的には、オリジナルな視点や価値観を持って事業を行なっているような企業やNPOで、その視点がオリジナルであるがゆえに既存の学問領域などでは扱われておらず、上手く思考するための基盤ができていない領域について、概念を構築して整理するのをサポートして、その領域についての言語を作り議論や思考を可能にする。その団体だけの「新しい理論作り」を内部の人や場合によっては外部の専門家とコラボして作るイメージ。このような経済学の活かし方もあるのではないか。
 
理論経済学では、「選好とはーーーのことである。社会的厚生関数とはーーーのことである。社会的厚生関数がーーーを満たすとはーーーであることである」のようにどんどん新しい概念を整備していく。経済学以外の分野については詳しくはないが、その時の文脈ごとに概念をどんどん構築していくスタイルは経済学の大きな特徴だと思う。
 
最近では経済学のビジネス活用が進んできているが、経済学の「マッチング理論」を使います、経済学の「オークション理論」を使いますのように、基本的には経済学の「内容」を売り出しているように思う。でも、そこから少し離れて、経済学の作法の特徴である「文脈ごとに概念を丁寧に構築して整理する方法」を活用してみる。経済学の内容を活そうとするのではなく、ゼロベースで一旦経済学のことは忘れて、その企業の独自の理論を作るのに関わる。
 
ユニークな企業がさらに飛躍していくために、ユニークな理論を一緒に作り上げる。こういう経済学の活かし方にもワクワクする。

Fin.

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